ペレットストーブとは木質ペレットという木屑を固めて小さな粒状にしたものを燃料とした暖房機器で、外見は薪ストーブなどに似ています。吸排気をFF式としたもの、ペレットを自動的に供給するもの、火力を調節するもの、ファンヒーター方式のものなど色々なタイプのものがあります。
元々はカナダなど北米や北欧で使われ、欧米全域に広がり日本にも入って来たようです。石油価格の高騰や環境問題との関係でも注目されています。
機器が大きく付帯工事なども必要な場合が多く、日本のマンションや小さな一般家庭では導入が難しいと言われていますが、最近では都市部でも使われるようになってきました。
木質ペレットは、直径が5~12mm、長さが9mm~25mmの円筒状の形をしています。日本では樹皮やおが屑などの廃材や間伐材から作られることが多いですが、北米ではトウモロコシの芯、クルミの殻、ピーナッツの殻なども原料としています。これらの原料を粉砕し、それを圧縮成形しますが、この時固めるのには接着剤ではなく、木材に含まれているリグニンを使います。
木質ペレットの水分含有量は通常8%未満で、薪の20~30%と比べると非常に低く、これにより薪ストーブに比べて高い燃焼効率を実現しています。また均一な形であることはペレットストーブの火力調節をやり易くしています。
石油危機後に灯油が安くなり、日本国内のペレット製造工場は激減して調達が困難になりましたが、現在では各自治体がペレットストーブを奨励していることもあり、長野県などの山林の多い県では木質ペレットは多く製造されています。また輸入販売も行われています。
現在、多くの機種では、ペレット自動供給装置やファン回転のために電源を必要としています。そしてそのような機種の内部構造は、薪ストーブよりも石油ファンヒーターに近く、かなり複雑です。一方で、薪ストーブと比べると、火力の調節は非常に楽にできます。また、排気ガスにも煙はほとんど出ません。
燃焼用の空気の吸入排出、室内空気の吸入排出の方式には色々なものがありますが、薪ストーブと違って煙はほとんど出ないため、外部からの空気吸入口も燃焼ガス排出用の煙突も付けない場合もあります。勿論、この場合には室内換気が必要になります。