4月からは朝晩の暖房に過度の節電は不要

4月になり暖かくなってきました。
現在も、東日本大震災による電力の供給不足から節電が呼び掛けられて、暖房を我慢している方々が多いようです。

 しかし、今問題になっているのは、瞬間的に電力需要が電力供給を上回ることによって大規模停電に陥る危険性です。これは1日の電力使用量の総合計が問題なのではなく、ある時刻に起こるピーク電力の問題です。

 通常、電力需要は昼間の方が夜間よりも圧倒的に多く、そういう意味では夜よりも昼間に節電した方が良いということになります。大規模停電を防ぐという意味では、電気を使った暖房はあまり問題にならないということです。

 但し、冬場は夕方の6時〜7時頃がピークになります。冬の間はこの時間帯に節電することが、大規模停電を防ぐためには効果的だった訳です。寒いけれど1〜2時間は電気での暖房を我慢することには大きな意味がありました。冬場は夕方に次いで、朝が2番目のピークになるので、震災直後の極端に電力供給が落ち込んでいる状況では、朝の時間帯も危険だった訳です。

 4月に入って、関東などではかなり暖かくなって来ました。電力供給も一時よりは回復して来ており、朝晩の電力需要もかなり低くなり、電力需要が電力供給を上回る心配は非常に少なくなりました。このような状況では、まだ寒い東北地方の方が朝晩の電気を使った暖房を過度に自粛する必要は無くなったと言えます。健康を維持するためにの暖房であれば、電気を使っていただきたいと思います。

 勿論、エネルギー消費量や環境問題という観点から、常に節電は必要です。無駄に電力を使うことは止めなくてはいけませんね。

 今後は暖かくなるに従って、朝晩ではなく、昼過ぎに電力消費量のピークがやって来ます。そして7〜8月の午後2時くらいが1年で最大のピークとなります。今後はむしろ朝晩よりも昼間の節電が大事になって来ます。暖房ではなく冷房が大きな問題になってくるということです。

 繰り返しになりますが、特に東北地方の、そして被災地の方々は、今後しばらくは節電を気にすることなく暖房を使っていただきたいと思います。

2011年4月13日