暖房を考えてエアコンを購入する

今年も夏が間近となり、エアコン購入の季節となりました。

 今回は、東日本大震災と原発事故による電力供給問題を受けて、エアコンの暖房の効率を考えてみます。

 エアコンの暖房はかつては電気の無駄遣いの代表のように言われてきましたが、その後エアコンの暖房効率が著しく改善し、現在では数字上は石油やガスの暖房より効率が良くなっています。

 暖房の効率についてはCOPというものが使われてきました。これは消費電力1kWあたりの暖房能力をkWで示したもので、大きいほうが効率が良いということです。エアコンの平均的なCOPは、1984年頃に3に近づいたあと暫く停滞し、1996年から急激に上昇し、2001年には4を超え、2004年には5を超えました。現在では5.5程度と思われます。効率の良い機種は6を超えています。

 ここから言える事は、2004年より前の機種は、暖房効率が少し悪く、2001年より前の機種は暖房効率がかなり悪いのではないかということです。

 尚、エアコンメーカーのカタログにあるCOP値は実際とは違うとの指摘が何度もされており、この値を単純に比較して購入する機種を決めることには問題があります。しかし、暖房効率が年々改善してきていることは間違い無いでしょう。

 なお、暖房効率は温度が低い程悪くなるという特徴があります。つまり寒冷地ではエアコンの暖房効率はあまり良くないということです。摂氏零度以下などの低温時にも暖房効率は良くないということです。

 また、暖房効率は大きな容量のもの程悪くなるという特徴もあります。例えば、2011年発売のパナソニックの6畳用エアコンCS-221CFの暖房COPは5.43とされており、8畳用エアコンCS-281CFの暖房COPは4.53とされています。

 さらに驚くべきことに、同じ地域にあっても住宅によって暖房COPの実測値は大きく異なるということです。断熱性能などによるものと思われます。

 また2006年頃より、COPに代わってAPF(通年エネルギー消費効率)というものが使われるようになっています。より実態に合っているというものですが、冷房暖房それぞれ個別の対策をするにはあまり役に立たない面もあります。

 今回のまとめとしては、上記の年式を参考にして古いエアコンは買い替えによって暖房効率がかなり良くなるということ、そして、低温時(寒冷地)はエアコン暖房の効率はあまり良くないので、石油やガスと比べて省エネにならない場合が多いということです。

エアコン暖房について

2011年5月21日