蓄熱式床暖房とは、電気代の安い深夜電力を利用して、夜のうちに蓄熱体に熱を蓄えておき、昼間にその熱を少しずつ放出することにより暖房するものです。
昼間も家に長時間居る家庭向きです。
また、単位面積当たりのエネルギーコストは安くなるので、広い範囲を暖房する場合にも適しています。
蓄熱体の種類によって、潜熱式と顕熱式があります。また、蓄熱体を組み合わせた潜熱顕熱併用式もあります。
潜熱式蓄熱床暖房とは、蓄熱体の相変化を利用して蓄熱量を高めたものです。相変化とは、例えば物質に熱を加えると固体から液体に変化することです。熱を加えると液体になるような蓄熱体は、固体に戻る時にたくさんの熱を放出します。この時は一定温度で熱が放出されるというメリットもあります。
ただし、顕熱式より初期費用は高くなります。
顕熱式蓄熱床暖房は、相変化をしない蓄熱体を使ったものです。潜熱式より初期費用が安くなります。
一方で、潜熱式と比較すると、蓄える熱が少なくなります。
蓄熱体に水を使うものがあり、これは温水式と同じような構造となり、蓄熱式温水床暖房などと呼ばれます。
更に、ヒートポンプを使った場合は蓄熱式冷水床冷房ができるものもあり、これは蓄冷式床冷房などと呼ばれています。