放射性物質、薪ストーブは安全か?

薪ストーブに使う薪に放射性物質が含まれていることは気になる問題です。

 岩手県遠野市では3月9日〜3月26日に市内9町で薪ストーブを使っている各一世帯を無作為抽出し、薪ストーブの焼却灰を測定しました。
 その結果によれば、放射性ヨウ素はすべての町において検出されませんでした。
 放射性セシウム134及び137は検出され、最低値は1キログラム当たり550ベクレル、最高値は5,000ベクレルでした。

 この値は国の定めた廃棄物の放射性物質濃度の基準値である1キログラム当たり8,000ベクレルを下回っています。
 一方で、国の定めている食品暫定基準値である1キログラム当たり100ベクレルを上回っており、アク抜きなどで調理に使ったり、畑や庭先などに撒いたりしないように呼びかけています。

 岩手県遠野市は福島第一原発から約230km離れており、福島第一原発からの距離では東京都心とほぼ同じ距離です。首都圏では庭木を伐採した枝の焼却灰から基準値以上の放射性物質が検出される例が多く、自治体が対応に苦慮しています。首都圏に比べると遠野市の状況は良いようですが、首都圏の方にも参考になる数字ですね。

 遠野市の場合も、薪を屋内で保管していた場合は屋外で保管していた場合よりも、放射性物質の濃度は低かったそうです。

 薪に含まれる放射性物質の問題は、時間が経つにつれて解決していくでしょうが、現時点ではまだ心配がありますね。原発から200km以上離れれば大部分の地域で薪をストーブで使用しても安全だと思われます。しかし、放射能の汚染は局地的であることが厄介なところで、ポツンポツンと汚染地域が点在しています。

 自治体などが放射性物質の測定をしてくれる場合は大いに利用しましょう。そして、来シーズンは薪に含まれる放射性物質の濃度が大きく下がることを期待します。

薪ストーブについて

2012年4月25日